2014年6月12日木曜日

仏教系大学ということ

 大谷大学は、言うまでもなく、仏教系の大学である。だから、そこかしこに仏教が顔を出す。

 恐らく、多くの人が最初に驚くのが、入学式であろう。何やら黒いものを着た人が壇上に出てきて、意味不明なオキョーを唱え始める。参列している教職員や新入生の間からも、これに唱和する声が聞こえる。
 「ウヘぇ、シューキョーだぁ…」
と思った人も少なくないはず。入学式に参列して驚いた親御さんの中には、消費生活センターに電話をかけて相談した人もいたと聞く。


 宗教に対して多くの人が拒否反応のようなものを示すようになったのは、オウムの地下鉄サリン事件以降のことであろう。「マインド・コントロール」という言葉も人口に膾炙した。
 そのせいか、宗教、とりわけ仏教というものに対して、「束縛するもの」「制限するもの」といったイメージが一般化してしまった。オウム事件とは直接関わりがないであろう、「厳しい修行」「厳格な戒律」という連想も、そのイメージを強化する。

 でも、仏教の大元締めである釈尊を始め、多くの仏教者の生きざまを見てみると、変人奇人ばかりがウヨウヨしている。
 仏教が束縛や制限するものであるならば、これは理屈に合わない。

 むしろ、仏教というのは、変人や奇人がノビノビと変人奇人でいられるような世界を提供するものなのである。


 

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